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武満徹ソングブック


武満徹ソングブック

ショーロクラブ with ヴォーカリスタス

01


( 作曲 : 武満徹 / 編曲 : 秋岡 欧 )

3:34

02

めぐり逢い 歌 : アン・サリー 
( 作詞 : 荒木 一郎 / 編曲 : 笹子 重治 )

3:45

03

うたうだけ 歌 : 沢 知恵
( 作詞 : 谷川 俊太郎 / 編曲 : 笹子 重治 )

3:11

04

明日ハ晴レカナ、曇リカナ 歌 : おおたか静流
( 作詞・曲 : 武満 徹 / 編曲 : 沢田 穣治 )

4:47

05

島へ   歌 : おおはた雄一
( 作詞 : 井沢 満 / 作曲 : 武満 徹 / 編曲 : 笹子 重治 )

3:34

06

恋のかくれんぼ  歌 : tamamix
( 作詞 : 谷川 俊太郎 / 作曲 : 武満 徹 / 編曲 : 沢田 穣治 )

2:52

07

小さな空
( 作曲 : 武満徹 / 編曲 : 秋岡 欧 )

4:59

08

見えないこども  歌 : 松平 敬
( 作詞 : 谷川 俊太郎 / 作曲 : 武満徹 / 編曲 : 笹子 重治 )

3:33

09

ワルツ~他人の顔  歌 : 松田 美緒
( 作詞 : 岩淵 達治 / 作曲 : 武満徹 / 編曲 : 沢田 穣治 )

4:33

10

死んだ男の残したものは  歌 : アン・サリー
( 作詞 : 谷川 俊太郎 / 作曲 : 武満徹 / 編曲 : 沢田 穣治 )

4:50

11

三月のうた 歌 : おおたか静流
( 作詞 : 谷川 俊太郎 / 作曲 : 武満徹 / 編曲 : 沢田 穣治 )

3:52

12

燃える秋  歌 : 沢 知恵
( 作詞 : 五木 寛之 / 英詞 : Ella Louise Rutledge & Kiristi Kaldo / 作曲 : 武満徹 / 編曲 : 笹子 重治 )

5:25

13

翼  歌 : 松田 美緒
( 作詞 ・曲 : 武満 徹 編曲 : 秋岡 欧 )

3:04

14

MI YO TA 歌 : おおたか静流,沢 知恵, アン・サリー
( 作詞 : 谷川 俊太郎 / 作曲 : 武満徹 / 編曲 : ショーロクラブ )

3:42

15

MI YO TA
( 作曲 : 武満徹 / 編曲 : 秋岡 欧 )

3:38

原題

Takemitsu Songbook / Choro Club with Vocalistas

価格:¥3,240 (税抜価格:¥3,000)

規格番号:SONG X 006

POS/JAN:4571381530067

CD発売予定:2011年7月20日

iTunes他デジタル配信予定:2011年 7月20日

- プロデュース - アレンジ
ショーロクラブ

-参加ミュージシャン :

CHORO CLUB :
 笹子 重治 : Guitar
 秋岡 欧 : Bandolim
 沢田 穣治 : Contrabass

VOCALISTAS :
 アン・サリー
 沢 知恵
 おおたか静流
 おおはた雄一
 松平 敬
 松田 美緒
 tamamix

- 企画立案 ・ A & R
宮野川 真 ( SONG X JAZZ Inc,. )

- 録音 & ミックス
2011年2月17日、3月30日、31日 : 三鷹台・echo & cloud

-レコーディング & ミックス・エンジニア : 鎌田 岳彦 <foxyroom>

-マスタリング・エンジニア : オノ セイゲン < Saidera Paradiso Ltd.>

updated on May 20, 2011

小沼純一 ( 音楽・文芸評論家 / 早稲田大学教授 )

武満徹の「ソング」が集められていながら、「武満徹」の名を、存在を、ほとんど意識しないで聴いた。ほとんど希有な体験と言っていい。世に多々あるvarious artistsのコンピレーションとも、ひとりのアーティストが「武満徹ソングブック」として録音したのとも異なったアルバム。




1曲1曲を単体としてではなく、アルバムだからこそのながれ、この曲がきてあれがくるというながれ、質の異なった女性の声がつづくとおもえばぽつりと男声があり、複数の声が重なるものがあり、といったような思い掛けなさもさりげなく仕組まれたストーリー。ドイツ語や日本語でうたわれるのがほとんどである曲が、日本語や英語になってあらわれてくる驚きもある。インストゥルメンタルのみの「チル・アウト」も効いている。ながれとなっているのは「武満徹」だからではない。「武満徹」でありつつ、ショーロクラブ、であるからだ。三つの絃の音色とかさなり、からみ。トレモロ、ビート、ラテン的な空気感。そして時のなかを減衰するひびき-----。1930年に生まれ、1996年に亡くなった作曲家・武満徹。ヨーロッパ由来の芸術音楽の延長・拡大されたかたちのコンサート・ミュージックを主としながら、映画や芝居の領域でのこした音楽はまたべつの魅力を持っていた。このアルバムに収められているのは、そうしたなかで生みだされ、独自に生き(息し?)はじめた曲たちだ。以下、簡単に各曲の由来を紹介しておく。

めぐり逢い:恩地日出夫監督作品『めぐりあい』(1968)の主題歌。詞はシンガー&ソング・ライターの荒木一郎。

うたうだけ:1958年に作曲、「ブルースの継承」と題された草月ホールでのコンサートで演奏された。谷川俊太郎の詞による。

明日ハ晴レカナ、曇リカナ:プライヴェートな応援歌として作曲。というのも、黒澤明が映画『乱』(1985)を撮影中、天気によって、監督の機嫌が変わり、右往左往してしまうスタッフに贈ったゆえ。『乱』本篇の音楽と対比してみるとおもしろい。

島へ:NHK大阪のTVドラマ『話すことはない』(1983/伊沢満脚本)の挿入歌。ドラマのなかではつかわれず、翌1984年、合唱曲として舞台初演されている。

恋のかくれんぼ:中村登監督作品『班女』(1961/村松梢風の3つの短篇にもとづく)のために書かれた。

小さな空:ラジオ・ドラマ『ガン・キング』(1963/TBSラジオ)の主題歌。脚本は石堂淑朗と田村孟による。詞は武満徹自身だが、ここでは故意に「うた・なし」で演奏されている。

見えないこども:シナリオを清水邦夫と羽仁進が手掛けた社会派ドラマ『彼女と彼』(1963)による。

ワルツ:安部公房の高名な小説『他人の顔』にもとづく映画(1966/勅使河原宏監督)中、うたわれるナンバー。岩淵達治のドイツ語による詞がオリジナルだが、武満徹の死後、日本語版もつくられ、アルバムではこちらが用いられている。

死んだ男の残したものは:「ベトナムの平和を願う市民の集会」(1965年4月22日/東京・全電通会館ホール)でうたわれた、作詞・谷川俊太郎による反戦歌。森谷司郎の映画『弾痕』(1969)でも使用されている。

三月のうた:W.P.マッギバーンのサスペンス小説を、松山善三と池田一朗が脚色、堀川弘通が監督した『最後の審判』(1965)の主題歌。

燃える秋 :小林正樹監督作品『燃える秋』(1978/五木寛之原作)に使用。曲が先につくられ、五木寛之があとからに詞をつけている。

:東京・西武劇場でおこなわれた、恩地日出夫演出によるアーサー・コビットの芝居『ウイングス』(1982年2月)の劇中歌として、武満徹自身が作詞・作曲。

MI YO TA:もともとのメロディは、メロドラマのための音楽として書かれたが、生前に使われたことはない。互いに評価しあっていた作曲家・黛敏郎が、武満徹の死後に披露し、谷川俊太郎が詞をつけた。御代田は、武満徹の山荘があったところ。

武満徹は、音楽につくり手の名がついているのは過渡的なもので、将来的に音楽は匿名/アノニマスにむかうと記していた。このアルバムは、これまでの「武満徹ソングブック」から次の段階への、つまりはただ曲のみが親しまれ愛されうたわれるなか、作曲家の名がいつのまにか消えてしまう段階への、はじまりを告げる。2010年は武満徹生誕80年だったが、その翌年、2011年はそうした10年ごとの区切りをのりこえるかたちで、このアルバムがリリースされるに相応しい。



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